決算後に急落。ただし、下落は9月から続いていた
今回の下落は、好決算の見出しだけでは説明できない。 テセック〈6337・東証スタンダード〉は10月27日の取引終了後、15時30分に中間決算を発表。翌日の終値は約19%下がった。
| 日付 | 終値 | 値動きの背景を考える基準 |
|---|
| 9月30日 | 3,685円 | 今回の決算より前から下落していた |
| 10月23日 | 3,040円 | 前週末 |
| 10月27日 | 3,420円 | 前週末から約13%上昇。この日の取引終了後に決算発表 |
| 10月28日 | 2,787円 | 決算翌日、約19%安 |
| 10月30日 | 2,582円 | 前週末比15.07%安、9月末比約30%安 |
10月28日の出来高は直前20営業日の平均の約8.5倍。同じ週の日本電子材料は約2%高、テラプローブはほぼ横ばいだったため、業界全体だけでなくテセック固有の材料への反応が大きかったと考える。日々の株価
売られた理由は「増益でも、期待ほどではない」か
業績が前年より悪くなったわけではない。気になるのは、直前の好調さから勢いが落ちたことだ。
| 期間 | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| 前年の7〜9月 | 15.63億円 | 2.02億円 |
| 今年の4〜6月 | 19.12億円 | 4.13億円 |
| 今年の7〜9月 | 18.91億円 | 3.28億円 |
7〜9月の営業利益は前年同期より約62%増えた一方、4〜6月より約21%減った。会社は年間の業績予想も引き上げなかった。発表直前の株価上昇を踏まえると、さらに良い結果を期待した人の売りが出た、というのが私の見方だ。中間決算短信・4〜6月の決算短信
ただし、発表前の市場予想は取得できていない。期待外れの程度や売り手の理由までは断定しない。9月末から続く調整に、今回の決算が重なった可能性も残る。
買う理由は、これから売る仕事が増えていること
過去の増益よりも、次の売上につながる注文の増加を評価した。 テセックは半導体を検査する装置や、検査する位置へ半導体を運んで仕分ける装置を売る会社だ。顧客が設備投資を増減すると、注文や利益も大きく動く。
7〜9月に受けた注文は約36.06億円で、同期間の売上18.91億円を大きく上回った。受注残、つまり注文を受けたもののまだ売上になっていない仕事は、3月末の25.56億円から9月末には43.70億円へ約71%増えている。決算補足資料
会社も、積み上がった案件の出荷を進めると説明している。この注文が予定どおり売上と利益になれば、業績回復を支えると考える。
ただし、すべての製品が好調なわけではない。電気的な特性を測る「テスタ」の上半期売上は前年より約45%少ない。注文の回復は見られるが、販売まで回復したとは言えない。また、受注残は確定利益ではなく、延期や取り消し、採算の悪い案件が含まれる可能性もある。
資金には余裕があり、回復を待ちやすい
買うなら、回復前に資金繰りで苦しくなりにくい会社を選びたい。 9月末の現金・預金は36.80億円、短期保有の有価証券は14.55億円。借入は合計約2.38億円で、自己資本比率は86.1%だった。財務の出典
前期の本業に伴う現金収支も14.64億円のプラス。ただし、そこには在庫や売上代金の回収も寄与している。今回の中間決算短信には現金収支の計算書がないため、今年の上半期も同じように現金を稼げているとは断定しない。前期の決算短信
お金に余裕があることと、株価が下がらないことは別だ。それでも、借入を大きく増やして回復を待つ会社より、今回の投資を考えやすい。
今の価格は検討できるが、利益をそのまま信じない
2,582円なら買いを考えられる。ただし、見かけの安さには割り引きが必要だ。 会社の年間予想は1株利益205.21円。株価はその約12.6倍で、この倍率をPERという。1株当たりの純資産2,801.34円に対しては約0.92倍だ。
一方、上半期の純利益には、保有株式を売った利益1.81億円が含まれる。これを年間予想利益から税効果を考えずに全額引く保守的な試算では、PERは約15.2倍になる。正確な調整後利益ではないが、「12倍台だから明らかに安い」とは言えないことが分かる。
過去には2024年3月期の営業利益17.31億円から、2026年3月期には3.01億円まで落ち込んだ。景気や設備投資で利益が振れる会社だ。昔の高利益や高値へ戻ることを前提にしない。過去の会社決算資料
予想配当は年間100円、基準価格に対する利回りは約3.9%。配当も将来の保証ではない。私が買いたいのは、指標だけで極端に安いからではなく、注文の増加と財務の余裕を今の価格で引き受けられると考えるからだ。
約50万円を購入。円高や出荷の遅れなら判断を変える
買い判断でも、一度に大きく持つほど確実な回復とは考えていない。 仮想資金の約5%、498,326円を投じた。半年〜1年で注文が利益に変わるかを追う。
一番の反論は、受注が増えても儲からない可能性だ。部品不足で出荷が遅れたり、開発費が増えたりすれば利益は減る。会社の下半期想定は1ドル160円で、1円の円安が下半期の営業利益を約1,500万円押し上げるという。円高は逆風となる。会社の見通し・為替感応度
例えば1株利益が150円まで下がり、株価がその12倍で評価されれば1,800円になる。基準価格から約30%安だ。これは予測や損失の上限ではなく、利益と評価の両方が落ちる場合の試算。50万円の配分でも損は出る前提で考える。
受注の取り消しや出荷の遅れが増える、在庫が積み上がって代金を回収できない、利益率の低下が続くなら、買い判断を見直す。反対に、注文を予定どおり出荷し、利益と現金の回収が伴えば、判断を続ける材料になる。
次の点検は11月11日。利益が現金になっているか
次は、注文や利益の数字だけでなく、お金の回収を確かめたい。 11月11日は半期報告書の提出予定日。新しい決算発表日ではなく、提出された資料に追加情報があるかを確認する日だ。提出予定日の出典
- 本業に伴う現金収支が開示されたら、利益と現金の回収が伴っているか。
- 製造途中の在庫増加は、受注した仕事の出荷につながるものか。
- 受注・納期・採算について、判断を変える追加説明があるか。
次の四半期決算では、受注残が売上へ変わったか、利益率が保てたかを確認する。発表日は今回の調査では確定できていない。日付が来たことや株価が反発したことだけで、買いの正しさを判断しない。
※価格は2026年10月30日終値、情報は11月1日までに確認した公開資料が基準。7〜9月の業績・受注は上半期から4〜6月を引いた計算値で、表示は丸めている。売買判断は筆者の見解。購入は終値を採用した仮想計算で、実際の約定や、読者がこの価格で買えることを示すものではない。
MODEL PORTFOLIO仮想運用 / 購入済み
テセックを購入
受注残の増加と借入の少なさを評価し、資金の約5%を配分。受注が売上・利益と現金回収につながるかを追い、円高や出荷遅延、採算悪化が続くなら見直します。
- 購入金額
- 498,326円
- 購入単価
- 2,582円2026.10.30 終値を採用
- 購入株数
- 193株予算 500,000円・1株単位で計算
2026.11.01に、確認済みの終値で購入したものとして記録。実際の約定価格ではありません。評価は 2026.10.30 終値 2,582円 を使用。
購入・評価価格の出典 ↗ 判断の根拠を読む ↗仮想資金1,000万円のうち約5%を配分する判断です。分析上の不確実性を残したまま、この配分で検証を始めます。運用全体を見る / 計算ルール
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