今回は買わず、11月13日の決算を待つ。 エフ・コード〈9211〉は成長している会社で、利益予想から見ると株価も低く見える。ただし、年後半に計画どおり利益を伸ばせるか、買収に伴う支払いに無理がないかを、もう少し確かめたい。

10月23日の終値は1,172円。前週末から19.06%下落した。直前に創業者の株式売却計画が公表されており、市場に売りが増えることへの警戒が有力な理由だ。会社の成長が止まったから下がった、とまでは確認できていない。株価

仮想運用での購入は行わない。決算を待つ間に株価が戻り、安く買う機会を逃す可能性も受け入れる判断だ。

株を売る計画が知られた翌日、大きく下がった

会社の業績そのものとは別に、市場で売られる株が増えることが嫌われたと考えられる。 公表の翌日に下落と取引量の増加が重なっている。

日付終値起きたこと
10月16日1,448円前週末
10月19日1,420円引け後16時に創業者の売却計画を開示
10月20日1,307円開示後最初の取引日。前日比7.96%安
10月23日1,172円前週末比19.06%安

20日の取引量は53万7,400株で、直前20営業日平均の約4.5倍。ただし、誰が何株売ったかは確認できず、下落のすべてを創業者の売りとは言い切れない。日次株価・取引量

売却はすでに始まっており、今後の残りは分からない

60万株は売却計画の合計で、発表後に新たに60万株を売るという意味ではない。 ただ、どこまで終わったかが不明なため、売りが続く心配は残る。

会社によると、創業者の工藤勉氏は9月29日から12月24日までに計60万株を市場で売る予定。これは発行済株式の4.81%で、売却後も筆頭株主である点は変わらないという。会社開示

10月9日時点では保有株が14万8,500株減っていたが、その後の進み具合は分からない。この数字から、10月23日時点の残りを計算することはできない。

今回は持っている株の売却で、会社が新しい株を発行する話ではない。売却代金が会社の事業資金になるわけでもない。

市場全体も下がったが、この会社の下げはさらに大きい

日本株全体の下落だけでは、今回の値下がりを説明しにくい。 売却計画など、この会社ならではの材料も見る必要がある。

同じ週の日本株全体や成長株市場に連動する上場投資信託は約3%安。事業に接点があるAnyMind Groupは約6.3%安、イルグルムは約0.7%高だった。比較企業の規模や事業は異なるが、エフ・コードの19%安は大きい。市場に連動する投資信託、AnyMind、イルグルム

また、株価は9月24日の1,557円から約25%安、1年前の2,103円から約44%安。以前から下がる場面があり、今回だけの材料で長期間の下落まで説明しない。売却終了の予定日が来れば株価が戻るとも限らない。前年の株価

会社は成長しており、利益が見かけだけ増えたわけではない

買収に関する会計上の利益はあるが、それを除いても利益の伸びは残る。 この点は、買い候補として追い続ける理由になる。

エフ・コードは、企業のネット集客や販売を支援するサービス、スクール、AIの活用支援やシステム開発などを展開する。会社を買収し、グループを広げながら成長している。

2026年上期は売上82億円、本業の利益にあたる営業利益16.46億円で、前年上期より約42%増えた。中間決算短信

ただ、この利益には、買収後に払う予定の金額を減らしたことで生じた会計上の利益が含まれる。反対に、買収した事業の価値を低く見直した損失などもある。売上が増えて稼いだ利益とは分けて見る必要がある。会計上の収益・費用の説明

これらを含む「その他の収益・費用」を両方除く計算でも、上期利益は約13.59億円、前年上期の約8.50億円から約60%増える。ただし、買収した会社が加わった効果もあり、以前からの事業だけの成長率ではない。計算の基になる損益計算書

安く見えるが、年後半の利益と買収の支払いを確かめたい

予想どおりに稼げるなら株価は低く見える。ただし、その予想を達成できるかに不確実さがある。 ここが今回すぐに買わない理由だ。

会社が予想する年間の1株あたり利益は155.62円。株価1,172円はその約7.5倍で、この倍率をPERという。倍率が低くても、将来の利益が減るなら安いとは限らない。

集客支援やスクールの分野は、上期までに年間利益計画の約60%を稼いだ。一方、AIやシステム開発の分野は35%。後者は年後半に、前半の約1.9倍の利益が必要になる。会社全体で計画の半分ほど進んでいても、分野ごとの状況には差がある。決算説明資料・7〜8ページ

本業から出入りした現金は、上期に差し引き10.50億円のプラスだった。一方、社債・借入金は約134.85億円、現金は約94.14億円。買収に伴う追加の支払いもあるため、利益と現金の両方を確認したい。中間決算短信

買収に関する会計処理で、持っている資産から返済・支払いの義務を差し引いた「資本」が減っていることも気になる。一部の借入には、年度末の資本を一定以上に保つ条件がある。条件に違反していると確認したわけではないが、余裕があるかの説明は必要だ。借入条件

上昇を逃す可能性を受け入れて、今回は待つ

待てば安全に安く買えるわけではない。それでも今回は、分からない点を減らしてから判断したい。

良い決算が出れば、確認している間に株価が上がり、1,172円では買えなくなる可能性がある。それは決算前に買わないことの代償だ。

一方、決算後に上がっていても、新しく分かった利益の見通しに対して価格が低ければ、買う余地は残る。良い決算だから買う、すでに上がったから諦める、と決めず、その時点の価格で考え直す。

11月13日には、利益が伸びているかと支払いの余裕を見る

買いを再検討するのは、成長と財務への疑問が減り、その時点の価格にも魅力がある場合だ。 第3四半期決算は11月13日の予定。会社IRカレンダー

  • AI関連の利益は伸びたか。 年後半に必要な利益を稼ぐ見通しが立っているか。
  • 顧客へのサービスで稼げているか。 会計上の評価の変化だけで利益が増えていないか。
  • 買収の支払いに無理はないか。 手元資金や会社の資本、借入条件への説明を確認する。
  • 創業者の売却は進んだか。 追加の売却や計画変更がないか。

業績予想の引き下げや財務負担の悪化が分かれば、見送りを強める。現金の出入りなど、今回の決算で公表されない数字があれば、未公表を悪化と決めつけず次の開示で確認する。

本記事は2026年10月25日までの公開情報に基づく。文章を分かりやすく更新したが、価格基準は10月23日終値、判断は決算待ちのまま。市場予想、最新の売却残数、全借入契約の条件は十分に確認できていない。仮想運用の判断を記録するもので、利益を保証するものではない。

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